へいまいく!

Big Band、Saxの話題や、自分が採譜したソロ譜面を公開する音楽系ブログです。

VJOクリニックレポート

去年は学生バンド2つ、社会人バンド1つの計3バンドが参加して
いたんですが、今年は1バンド、東大JJWだけでした。


まぁ、あれだけお金掛かるんだったら当然だろうなぁ…。
色んなところから金額を聞いて、素でビックリしました。
てっきりボランティアでやって下さっているんだと思ってました。
だって、うん十万も金取ってる割には、進行も通訳もぐd(ry


さて。


モデルバンドのJJWの"Mean What You Say"の演奏を聞いた時点の
僕の感想は以下の通り。
後ろに○が付いてるのは、クリニック内でも直接指摘されていた点で、
△は間接的に指摘されてたり、その根本的原因が指摘されてた点です。

  1. Pfソロめっちゃ上手い。
  2. 全体的に吹きすぎ。早い。ラウド。こんなに元気の良い曲か?(○)
  3. Saxフレーズの最後、息が入ってない(△)
  4. ハモがハモっぽくない(○)
  5. Drs.のレガートが浅くて煽ってる感が有る。(△)
  6. Tuttiは上手い。(△?)
  7. Tbリード突出し過ぎ。(○)
  8. Sax vs Brassで互いの動きを理解出来てない。(○)


で、クリニックに突入。
普通にレポート書くと大変な文量になるので(現に去年のはA4 9ページ)、
さっくりと僕がメモった点だけ箇条書き風に。


まず、全体の構成として1. Rhythm, 2. Sound, 3. 初見対応と
なっていたのだけれども、3. は割愛。


そして、僕自身のコメントは(ま:)で書いてます。

1. Rhythm

(Mosca, Tb1)Thad Jonesの曲では別のセクションへの
 繋ぎのリズムがホーンセクションの譜面に書いてある事が多い。
 (ま:セクション毎に交互に重なって行ったり、
 リズミカルに動くの多いですよね。)


(McNeely, Pf)"Rhythm Section"というと一般的に
 ドラム・ベース・ピアノを指すと思うけど、
 実はHorn Sectionも含めた16人全員がRhythm Section。
 (ま:ホーン隊もリズム隊におんぶにだっこじゃ無くて、吹きながら
 自分達でタイムを出せないとダメ)


 その上で、Rhythm SectionはHorn Sectionを助けてあげないと。


(Riley、Drs)最初のピアノソロは、ムードは良いけどリズム隊バラバラ。
 もっとちゃんと互いを聞くように。
 (ま:ジョン・ライリーは、基本的にコメント超辛口です(笑)
 良く言うとStraight to the Pointで、僕は判りやすくて好きです。)


(Mosca, Lead Tb)4分音符が1番難しい。8分音符や16分音符は
 まだ不正確さが許容される部分が有るが、4分音符がずれると
 台無しになってしまう。
 (ま:だからバシっと皆で合うように。)


(Riley、Drs)最初の2beatのところは8分のリズムを
 感じながら演奏するように。
 (ま:細かくきっちり感じるのも、フレーズ単位で大きく感じるのも
 両方出来ないとですよね。)


(McNeely, Pf)ピアノはドラムのHarmonic Setであると考えている。


(McNeely, Pf)Horn Soloのバッキングでは、ソリストよりも
 出しゃばらないように、と心掛けている。
 (ま:このバッキング(Comping)については、McNeely氏著の
 本も出ていて、日本語版もあるそうです。
 「ATN出版のサイトで"Jim McNeely"で検索して下さい」と案内が有りました。
 結果↓
 


 ( ´゚д゚`) 


 えっと…、アマゾンリンクを置いておきますね!

 
 ちなみに、高いから原書で良いやと思ってAmazon.comで買おうとしたら、
 業者が出品しているのしか無くて、送料入れると5,000円オーバーに
 なってしまいました。ちぇっ。)


(Dodgion, Lead Alto)リズムは指や口でなく、体で感じる。
 これによって重みが出る。
 (ま:早い曲でもゆっくりから丁寧に仕上げて行くのが大事な
 理由のひとつですね。)

2. Sound

(Dodgion, Lead Alto)Sax隊の最後の静かになるところとかが
 良い例なのだけれども、Volumeを落とすだけで、強さは変えずに。
 (=音が弱々しくならないようにちゃんと芯を残す。)
 (ま:Intensityは変えずに、just the volume changeとの事。
 Intensityが「勢い」と訳されていたのだけれども、
 「強烈さ」や、地震なんかの「強度」とかの意味です。
 まぁ拡大解釈して息のスピード感とか変えちゃダメ、というの
 なんかを含めて考えれば「勢い」でも良いのかもしれないけれども、
 ちょっと引っ掛かりました。)


(Jackson, 3rd Tb)内声を吹く時、"Follow the shape of lead player"
 を心掛ける事。サイドマンだからといってダイナミクスレンジが狭くて
 良いという事では無い
 Section全体で1人の奏者が演奏しているように聞こえるように。
 そのために、音量の変化だけでなく、音色が明るいのか暗いのか、
 ハードなのかソフトなのか、という音色面での変化も注意する事。