へいまいく!

Big Band、Saxの話題や、自分が採譜したソロ譜面を公開する音楽系ブログです。

辰巳哲也ビッグバンドMeets Eero Koivistoinen@座・高円寺

写真はアンコール前の様子です。

相変わらずアンサンブルを出来るだけ自然に美しくキレイに聴かせる
事をバンドの重要なコンセプトとしておられます。


今回のライブはソリストも含めて全員マイク無し、全編生音です。
(ほんのちょっとだけ全体を拾ってエコーを掛けていたそうですが。)
でも例えばテナーソロの後ろのTb隊のバッキングもピアニッシモ
美しく揃ったハーモニーとして聞こえる、という妙技を堪能させて頂き
ました。
そもそもプロのBig Bandを全編生音で聴けるというのはそれだけでも
大変勉強になる素晴らしい機会だと思います。
普段練習している時に自分達が聞いている音って、生音じゃないですか。
そのイメージと全く変わらずに「プロだとどう演奏しているのか」と
いうのを確認出来るのはとても貴重な経験になると思います。
(余談ですが、プロの方に個人レッスンを受ける最大のメリットって
「生音をその場で聴ける」事だと思います。)


改めて考えると、アコースティックな音がメインなフルバンでもPAへの
頼り方がちょっと極端な例が多い気がします。
(自分が参加しているバンドも含めた自省でもあるのですが…。)
エレクトロニック系の楽器がドッカンと出て来ているようなバンドだと
それに合わせてホーン隊もだいぶPAで持ち上げてあげたい、とか
マチュアバンドであればそもそも楽器コントロールレベルが低いから
マイクにおんぶにだっこ、とか色々理由は有るんでしょうが、演奏する
スタイルやハコの大きさに合わせて決して過剰にならないPAの使い方
って良く考えないとですね…。


さて、今回のライブはゲストのEeroがアレンジした譜面が大半を占めて
いました。
「北欧系」と言うと今だとスウェーデンのBohuslanとかが有名だと
思いますが、そこまで現代的な難解さが無く、聴き易いながらも色彩が
ひと味違ったお洒落な曲で一杯でした。
(学バンで良く取り上げられるBohuslanの曲って、Bohuslanの中でも
キャッチーで聴き易いレパートリーが多いと思いますが、それと比べ
ても聴き易いと思います。)


ソリストは、Eeroは勿論なのですがテナーの渡邊恭一氏、鈴木圭氏が
素晴らしかったです。
渡邊恭一氏はColeman HawkinsやLester Young、或いはそれよりも
更に古い年代のテナーのスタイルなのに対し、Eeroはハードバップ
鈴木圭氏はコンテンポラリー寄りのアプローチと、三者三様の全く
カラーの違うソロが楽しめました。
Eeroは、コンボのCDとか聴く限りもっとギョリギョリとしたソロを
取ろうと思えば取れるプレイヤーなのですが、曲のスタイルやバンドに
求められているサウンドに合わせて、今回はハードバップ的な
スタイルでソロを取っていたように思います。引き出し多いなぁ…。


後はバリトンの宮木謙介氏。
色々なシーンで名前をお見掛けしていたのでてっきり僕よりも年上
だと思っていたのですが、MCで25歳という事を知り仰天しました。
豪快なソロも魅力的だったのですが、Saxセクションの中での音の
立たせ方やホーンセクションの中でのダイナミクスコントロール
大変勉強になりました。


辰巳哲也ビッグバンド Meets Eero Koivistoinen、来週24日(月、祝)
にも岩本町Tokyo TUCで昼過ぎに演奏予定です。
詳細はこちら→(Tokyo Tucのページ。)


Members

  • 辰巳哲也(Leader, Tp)
  • エーロ・コイヴィストイネン(Eero Koivistoinen/Ts)
  • Tp: 佐久間 勲、峰崎芳樹、羽毛田耕士、松木理三郎
  • Tb: Fred Simmons、フジイヒロキ、上杉 優、永井嗣人
  • Sax: Steve Sacks、三浦裕美、渡邊恭一 鈴木 圭、宮木謙介
  • Rhythm: g:駒村 光 pf:道脇直樹 b:川本悠自 ds:諸藤一平