へいまいく!

Big Band、Saxの話題や、自分が採譜したソロ譜面を公開する音楽系ブログです。

国会事故調報告書

国会事故調報告書はこちら
Global Edition(英語版)はこちら
参考記事:国会事故調の報告書は「原発の安全」に何の役にも立たない


Twitterの方でもちょっとだけ書いたんですが。


大抵、大前研一氏の意見には賛同する事が多いのですが、
今回はちょっとイマイチかも。
「憲政史上初の、政府からも事業者からも独立した
調査委員会」に対する期待が大きすぎたのかもしれません。


そもそも国会事故調は、福島原発事故の原因を
究明して「今後の世界の原発の安全運転に活かす」
なんて視点を持ちあわせていないだろうし。


…と思ったら、「当委員会設置の基本的考え方」と
いうところにおもいっきり書いてありました。
「 世界全体として原発事故再発防止のため、
世界的視野に立つことを重視すること。」
(報告書本編8ページ③より。)
…はぁ。
今回の事故のLessons Learnedを世界に発信するのは、
国際社会における日本の責務だと思うのだけれども、
残念な事にそれは別の機関に任せるしか無さそう。


ちなみに同じところに「専門家による冷静、
客観的かつ科学的な、独立した徹底検証をすること。」
と有るんですが、委員の中に原子力工学屋さんが
1人も居ません。
圧力容器の設計を10年間やってた、という方が
一番近そうでは有りますが、プラント全体の
安全性云々の話は専門外でしょう。


さて、日本語版の方はまだ内容的にまとも
なんですが、英語版はちょっと絶句してしまいます。
「日本の文化やら組織やらが今回の事故の原因でした。」
というのをヒステリックに書き立ててる感じ。
「本当に日本ってクズでスミマセン」位の表現が、
英語版の序文"Message from Chairman"に入ってる。


ちなみにこの手のモノのご多分に漏れず、
「日本語版と英語版で内容に齟齬が有った場合は
日本語版を正とします。」という注意書きは
有るのだけれども、事故調自ら"Global Edition"と
銘打ってる、世界中の人が見る事が出来る報告書で、
この土下座卑下モードは一体なんなんだ、と
悲しくなります。