へいまいく!

Big Band、Saxの話題や、自分が採譜したソロ譜面を公開する音楽系ブログです。

マウスピースの素材とか手作業の割合とか

そっか、サックスの素材については以前記事にした事が有るけれども、
マウスピースについては書いてないのか。


折しもヤマジョーさんがこんな事を呟いてらっしゃったので、それに
感化される形でちょっと書いてみます。


現行の多くのマウスピースって、工場での大量生産を前提にデザイン
されていると思います。
素材なんかにしても、工場での大量生産をし易い硬いものが選ばれて
いるのでは。
これが最終的にキンキンした成分に繋がっているんじゃないかと。


昔のマウスピースだと、昔の設備でも加工し易い柔らかさの素材&
手作業でのフィニッシュ、というのが相俟って、現代のマウスピース
とは異質なモノが出来上がってるんじゃないかと思います。


一方で現行の製品でも、所謂ハイエンドマウスピースと呼ばれるような
ものだと、大量生産が目標では無いので素材も融通が効くし、また手作業
でのフィニッシュがされているものが多いので、作りも良い、と。


デザインや工場設備という点では、3D-CADとかCNC旋盤とかレーザー
加工だとか、設計・製造技術もここ20年位で飛躍的に進歩を遂げて
来ています。
こういうのを既に取り入れてるメーカーも有りますね。
ひょっとすると、今まで加工が困難だった素材とか、形状とかへの
チャレンジが今後面白くなって来るんじゃないでしょうか。


あ、「手作業」に関しては印象的なエピソードが。


10年位前にテレビで見た内容なんですが、
NASAかなんかに納めてる望遠鏡に内蔵されている巨大な鏡を磨いて
いるのが実は日本の下町のメーカーで、職人さんが手作業で磨き
上げている、なんて話で。


これもその番組内で紹介されていたんですが、髪の毛を抜いて指で摘んで
、根本→毛先へ滑らせるのと、その逆とでは感触が違うのが判る。
毛先→根本だと、ちょっと引っ掛かりを感じるんですよね。


で、この引っ掛かりってのが、実はマイクロメートルの世界のお話
でして、訓練されていない素人でも感じ取る事が出来る、と。
訓練された職人なら更に感覚は鋭敏になり、磨き上げる作業も機械では
出来無い超繊細な作業が出来る…みたいなお話でした。


やっぱりマウスピースにしても、最終的に手作業で仕上げていると
いうのは大事なんだと思います。