へいまいく!

Big Band、Saxの話題や、自分が採譜したソロ譜面を公開する音楽系ブログです。

宮本大路氏との思い出

闘病生活をされていたのは知っていたのですが…。

白いバリトンで有名な宮本大路氏が去る10月11日に亡くなられたとの事です…。
自分もエリック・宮城氏のツイートで知ったのですが、その後親族の方が
宮本大路氏のFacebookに訃報を載せていらっしゃいます。

実は僕のサックス・バリトン人生も氏から大きな影響を受けています。

今から15年程前の事。
僕は学生バンドの大学2年生で、それまでアルト一辺倒だったのですが、ジュニアバンドの人数的な都合でバリトンを吹き始めました。
そんな中、秋頃にレギュラーのバリトンの先輩が「私は来年アルトをやる」と唐突に宣言しまして…。(事前の相談とか一切無かったよなぁ…。)
まぁ元々この方もアルトが本職だし、次は最後の年だからまぁ好きな楽器やったら、という空気が醸成されつつあり。
そして僕は別に大して好きでも無いのにバリトンを吹かざるを得ない状況に追いやられたのでした。(低音自体は好きだったのはまだ救いでした。)
でもコンサートマスターはやりたいし、そうするとレギュラーバンドの一員として乗るにはバリトンの方が人数的にも実力的にも都合が良い…とか総合的に判断して大学3年時はバリトンをやる事にしました。

…なんですが、まぁ色んな人からあーだーこーだ言われまして。
特に言われたのが「音色」。
アルトでも当時散々言われて、未だに音色は課題というかコンプレックスというかトラウマなんですが、まぁけなされるだけで「じゃあどうすれば良い、どういう練習をすれば良い」的なサジェスチョンは一切無く。

そんな中、新大久保の山野楽器Wind Crewで宮本大路氏のバリトンサックスのクリニックが開催されるという情報を入手して、藁をも掴む思いで参加しました。
たしか会場に着いたのが開始時間ギリギリで、「一人一個質問が有れば記入して下さい」という紙に、「どうすれば音色が良くなりますか」という質問を記入したんですが、Q&Aの際にどうも担当者が来場した順とは逆順で質問カードを氏に渡したようで、一番最初か2番目にこの質問が読み上げられまして。

「この質問した人どなたですかー?」 僕挙手。
質問の意図というか、経緯なんかも説明したんじゃないかと思います。
で、「ちょっと吹いてみて」と言われて吹いてみて。
いや?素敵な音色していると思うよ!皆さんどう思います?」 一同頷く。
この「素敵な音色している」と言われたのがもうとにかく本当に嬉しくて。
改めて振り返ってみると、初めて音色を誰かに肯定して貰えた瞬間だったのかもしれないです。
しかもあの宮本大路氏にですよ。それはもう感激しますわ。

で、練習方法としてはオーバートーンやロングトーンはもちろん、確かスケールとかでも低音域と高音域とで音色を出来るだけ均一化させるとか、高音域でもサブトーンを効かせる実演をして下さったりとかして、大変参考になりました。

ちなみにこのクリニックで教わった内容の一部が、実はこちらの記事で書いてある内容だったりします。(下の方の、「但し」以下の段落です)

尚、この翌年に実は某ピックアップバンドで氏とは一緒のステージで演奏する機会が有ったりとか(その時僕はアルトだったんですが、笑)守屋純子オーケストラのライブ会場で購入したピンクボンゴのCDにサイン貰ったりとか色々な思い出が有るのですが、とにかく氏のクリニックでの一言にどれだけ僕は救われたか、そしてそのお陰でバリトンともしっかり向き合えたし、こうして今自前のバリトンを持って吹いてたりするのか、受けた影響・恩恵は計り知れないと思っています。

本当にありがとうございました。

ちなみに、ニコニコで面白い動画を見つけました。
熱帯Jazz楽団「今夜はドント・ストップ」の、伝説のソロの収録シーンです。
氏にはしんみりとした雰囲気は似合わないでしょうから、是非見て爆笑して下さい。
動画の6:40頃からです。

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