へいまいく!

Big Band、Saxの話題や、自分が採譜したソロ譜面を公開する音楽系ブログです。

Martin!、とかテナーを選ぶ上での苦悩

Blog初めた当初に書いて、その後もチラホラと触れてはいるのですが、僕は学生時代、左手小指の第一関節を腱鞘炎で痛めています。
以来「運指が楽かどうか」というのは、自分の楽器を選ぶにあたって重要なファクターです。
「手が小さい」、というのも有るんですけどね。

アルトでは超現代的な楽器を使っている一方で、テナーではオールドのテイストのする暖かみのある音が出したかったりします。
Stan Getzとか、もっと遡るとColeman HawkinsとかLester Young的な。
(フレーズをコピーしたいかというと、ちょっと違います。あくまで音の話です。)

この趣向と運指のバランスを完璧に取ろうとすると、それこそSuper Balanced Actionとか、5桁代前半のMark6とかで100万円越えになってしまう。
さすがに一番使用頻度の少ない楽器にそこまで出すつもりは無いので、必然的にうまいことバランスしている楽器を探し求める羽目になるわけです。

で、そんな中、久しぶりにアメリカンビンテージのテナーを幾つか吹いてみました。
一番気に入ったのはコレ。


ネックは後からシルバープレートが掛けられています。
なので、ひょっとすると曲がったのを直してたりするかもしれません。
(リラッカーなら、ラッカー焼けの跡等で確度の高い推測が出来たりするんですが、リプレートされてしまうと過去の事故歴なんかを見抜くのは非常に難しいです。)
まぁあくまで可能性の問題なのでそれはさておき。

めっちゃ良い音してました。
指も我慢すればどうにかならなくはないレベルでしたし。
値段的にも不当にプレミアムが乗せられていたりせず、良心的なレベルだと思いますす。

対抗馬として吹いたのは、これまたアメリカンビンテージの雄である
Conn 10Mです。
こちらも音は良いんですが、運指がやっぱり厳しかったです。

ちなみに、両者とも一般的に「暖かく野太く大きい音」と称されたりするんですが、Martinは広がりのある感じ、Connはそれよりも芯が有ってまとまりの有る印象です。
拡散メガ粒子砲 vs ビームマグナム的な?
えっと、「散ってる/まとまってる」というのとはまた違うと思います。
大前提としてどちらも芯は有って遠鳴りするのだけれども、その上でSpreadなのかCenterizedなのか、という違いなのかと。

で、Martin、もう音には惚れてしまって、もうその場で買っちゃおうか位な勢いだったんですけれども、こういう時の大原則「絶対に即決しない」というのを必死になって守って、帰宅しました。

で、帰宅してから案の定、
「いやいややっぱり運指がキツイと…」
「テナーで無理してまた指を痛めて、アルトとかバリトンのステージに支障が出たらどうする」
「やっぱYanagisawaじゃね?中途半端に予算ケチるとまたネックとかネジとか弄り出して収集付かなくなるから、最初っからプレート掛けられてるようなものをですね」
「いやいやそれだと高いじゃないか、それなら安めの中期Mark6を」
「結局猫も杓子もMark6ですか?(プ」
「んだとこらお前表に出ろ」
「みんな、私の為に喧嘩するのは止めて!」
『誰だお前』
とか脳内会議が大変な事になりまして…。

あ、このテナーの話、意外な結末を迎えます。