へいまいく!

Big Band、Saxの話題や、自分が採譜したソロ譜面を公開する音楽系ブログです。

Yanagisawa WOシリーズ試してみた(WO20)

さて、今回はA-WO20です。

この機種、今回記事を一番書くのに苦戦しました…というか、実は今でもいまひとつ腑に落ちていない感じがするのですが、これ以上滞らせたく無いのでエイヤで書いてしまいます。

と言うのも、以前吹いた時と今回吹いた時の印象が全く違うのです。
今迄色々な楽器を色々なお店で吹かせて頂いていますが、現行品でここまで極端に印象が違うという事は今迄有りませんでした。

  1. 他の人の試奏でどれだけ吹き込まれたかが違う
  2. 調整の出来、状態が違う
  3. 個体差

パッと思いつく理由はこんな感じなのですが、どれも決め手に欠けると言うか…。
かなりの確率で1.な気もするのですが、大抵の場合これらは同じベクトル内での「良し悪し」の差にはなれど、印象がここまで違う事への理由としてはしっくり来ていません。

苦肉の策としてこの記事では両方載せてしまいますが、いずれまた追って他のところでも吹いてみて検証してみたい、と思います。

以前吹いた際

とにかく驚いたのが、息がつるりと入っていく点。
抵抗の強い/弱いの話を飛び越えて、極端に息が持って行かれます。
息の入り方の感覚だけで言えば、9937に近かったように思います。
今迄のブロンズモデルである902や992は、若干の毛色の差は有れどほぼ901や991といった真鍮モデルの延長上としてそれほど極端に意識を変える事無く吹けていたのですが、この時ばかりは「全くの別物」として捉えて吹き方を色々と工夫してやる必要が有りました。

ただ一方で9937のように密度の濃い音がドカンと出るかというとそうでも無く、色々と吹き方を変えようと試行錯誤しても結局は「遠鳴りしかしない」不自然な感じでした。暖簾に腕押しと言うか…。

なんだかこの感覚、デジャヴだったのですがその時は全然思い出せず。
暫く経ってからある日ふとB-902を試奏した時だ、と思い出しました。
(…自分でも「だから何だ」という感じですが…。)

いずれにせよ、正直色々と不自然だと感じましたし、自分の思い通りにコントロール出来無い点も気に食わなかったたため、良い印象は持てませんでした。

今回吹いた際

「あ、やっぱり真鍮モデルの延長線上に有るバリエーションよね」という印象。息の入り方の不自然さも微塵も感じず。

WO10と比べると、基本的にはWO2の試奏記事に書いた通りの「真鍮 vs ブロンズ」の違いを感じます。
若干息を意識的に厚めにするように吹いてやると柔らかい音が出し易いかな、と。

WO2と比べるとやはりこちらの方が密度が濃くてドッシリとした音が出る印象です。
一方で、わずかに「重たい方向に振りすぎなんじゃないかな」という懸念も頭をよぎります。
WO2の方が価格や吹き心地等様々な要素を総合的に判断すると、バランスが良いような気もしています。

そしてやはり何だかんだで楽器自体に味付けがされている「特化型」モデルだと思いますし、正統派基本型であるWO10のレベルの高さも手伝って、色々な前提条件を解きほぐした結果、確実に嗜好にハマると判断出来る人に対してでないとオススメし難いモデルかな、と感じました。


【アルトサックス「Yanagisawa WOシリーズ吹いてみた」 各記事リンク】
 導入編WO1WO10WO10補足WO2、WO20(この記事)、WO37
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