へいまいく!

Big Band、Saxの話題や、自分が採譜したソロ譜面を公開する音楽系ブログです。

Yanagisawa WOシリーズ試してみた(WO2)

だいぶ期間が空いてしまいましたが、新宿のクロッシュにお邪魔して片っ端から吹いて来ました。

と言う事で、今回はA-WO2です。

WO1と比較しながら吹いたのですが、こちらの方が若干抵抗感は強めだと思います。
音の傾向も基本的にWO1と良く似ているのですが、注意深く見て行くと以下のような性格が有ると思います。

  • お上品
  • つややか、なめらか
  • 丸い

これらを総括すると、良く言われる「柔らかい」という事になるんだと思います。
…が、個人的にはちょっとブロンズ=柔らかい音、というのは単純化され過ぎで注意が必要なんじゃないかな、と思います。

確かに真鍮ならではのザラっとした感触を出そうとしても、音の輪郭の角がまるまった、ペロンとしたなめらかで丸い感じの音が出易い傾向だと思います。
これがいわゆる「柔らかい」というイメージの源泉なのだと思います。
(ちょっと脇に逸れますが、この出音の傾向はちょっと離れたところから聞くと判り易い、なんて話も聞きます。)

ですが一方で、真鍮モデルと比べるとそれなりに抵抗感は増しているので、お腹で支えてあげずに口だけで吹くと硬くて痩せた音が出易い、扱いに若干の配慮を要するモデルだとも言えると思います。

そしてあくまで「傾向」の範疇だとは思いますが、やはり楽器自体に既に上述の味・方向性が付いているモデルなので、ちゃんと自分のスタイルや演奏ジャンルとマッチしているかどうかを考慮してから買った方が良いと思います。
例えば、Jazzでも「柔らかい音」が求められるシーンは色々と有りますが、「この楽器は広義の意味でJazz向けですか?」と問われたら僕は残念ながらNoだと思います。
Jazzの中でもハマるスタイルも有ると思います。例えばArt Pepper的なモコモコとした雰囲気なんかには良いんじゃないかと思いました。
ですがガッツンガッツンアーティキュレーションを付けたり、下品に吹き鳴らすような感じはちょっとそぐわないんじゃないかと思います。

・・・とかぐだぐだ書いてきましたが、実はこのモデル今回クロッシュで試奏した中では一番長い時間吹きました(笑)
真鍮モデルは前回散々吹いてるから、というのも有ると思いますが、抵抗感が良い按配で吹き心地が気持ち良かったです。

初心者に諸手を挙げて勧められるモデルでは無いと思いますが、ツボにハマると大変コストパフォーマンスに優れたモデルだと思います。
あと、何だかんだでブロンズの赤味掛かった感じって可愛らしいですよね…。

【アルトサックス「Yanagisawa WOシリーズ吹いてみた」 各記事リンク】
 導入編WO1WO10WO10補足WO2(この記事)、WO20WO37
 ヘビータイプ vs ライトタイプ感想まとめ