へいまいく!

Big Band、Saxの話題や、自分が採譜したソロ譜面を公開する音楽系ブログです。

(14)Swingの基本

そっか、「3連中抜き(サンレンナカヌキ)」ってどっかで書いたよな、と思ったらここで書いてたのか。
それっきりSwingの記事を書いてなかったのか。なるなる。

良く、「Swingが浅い」と言われる事が有ると思います。
これって、原因は主に以下の2つです。

1.タイム

2.フレーズの吹き方(息を通す&アーティキュレーション

ホーンの場合、実は圧倒的に2.のフレーズの吹き方が原因なんです。順番に書いていきます。

1.タイム

まず1番基本になるタイムは、三連中抜きです。
こう譜面上に書いてあった場合、

Jazzにおけるタイムの解釈だとこうなる。

Big Bandで良くこの例に出されるのが、Count Basieの"Li'l Darlin"です。

これなんかは、基本的にタイムがしっかり3連中抜きになってると思います。
「カッコッコッカッコッコッ」って3連符を感じながら聞くと良く判ると思います。
(もちろん、若干フレーズを引っ張って遅くしてるところとかも有りますが。)

また、秋吉敏子オーケストラのリードアルトであるDave Pietro氏のクリニックでも、さかんに"Feel The Triplet!"(3連符を感じて!)と仰っていました。

で、曲のスピードが上がっていくにつれて、この幅が段々と狭くなっていってEvenに近付いて行くんですが、「どの位のテンポだとどの位Swingするか」というのを一概に言うのは難しいです。
これに関しては色んなテンポのSwingの曲を聴いて、演奏して、感覚的に掴んでいくしか無いと思います。
コンボなんかだと、敢えてSwingのタイムを浅めに取る人なんかも沢山居ますし。

…と言うと難しく感じるかもしれませんが、前述の通り、Swingしていない原因の多くは次の2.の方なので、まぁ気楽に考えて下さい。

2.フレーズの吹き方(息を通す&アーティキュレーション

原則、フレーズを通してずっと息が通ってないとダメです。
息が切れたところでフレーズのノリも切れちゃいます。
これを実現するには、きれいなタンギング(+ブラスではリップスラー)が要求されます。

…きれいなタンギングについても、別に記事を書かないとなぁ。

まぁアーティキュレーションについては、幾つか例を出しましょう。
こんな感じです。
ちなみに緑の吹出しは関係者用コメントです。





フレーズの最後の音、超大事です。
これがしっかり決まらないと、フレーズ全体が台無しになります。
最後でずっこけてしまうというか。
(逆に言うと、フレーズの中の細かいところが多少ずれても、最後がバシッと合うと、細かいところが合って無い分を取り戻す事が出来ます。)

こんな感じでアーティキュレーションも、メンバーで共通認識を持って、吹き方を揃えると良いです。

長くなりましたが、この2項目をしっかりやれば、フレーズがしっかりSwingするようになります。