へいまいく!

Big Band、Saxの話題や、自分が採譜したソロ譜面を公開する音楽系ブログです。

危機の経営−サムスンを世界一企業に変えた3つのイノベーション


バンド仲間で、経営企画チックな仕事をしている人から勧められて
読んでみました。

うーん、経営学の本、というよりはどちらかというと
「最終製品を作っている『ものづくり企業』」に関する本だと思う。
ものづくりに興味が有る大学生とかに勧めたい本です。

話としては、元サムソン役員であった日本人の方が、何故サムソンが
世界一企業になったか、という話をしているものです。

ただ、改革内容にはあまりサプライズは無く、とにかくトップである
イ・ゴンヒ会長が強烈な危機感をベースに社内を改革していった、という
話でした。

  • 3D-CADの導入とか、デジタルものづくり(摺り合わせやら匠の手仕事なんかが工業用ロボットやら多機能チップセットなんかで不要になっていく)という先見の明が有った。
  • 日本勢とガチンコ勝負せずに、新興国市場をいち早く攻めた。
  • マーケットインの考え方を徹底した。
  • BOMの全社全事業部共通化を徹底して大幅コストダウンを実現した。

この辺りがキーでしょうか。
まぁ徹底の仕方がきっちり徹底しているのがさすがなんでしょうね。
(導入当初は笛吹けど踊らず状態だった、ということも書かれていますが)

上記のような取組は、何気に今の会社と前職の会社を比べると、むしろ
前職の会社の方が取組が早かった気がします。
なんだかんだで"Rat Year"等と揶揄された業界の隣の業界の端っこにいた
企業だったからですかねぇ。

まぁガチガチのプロダクトアウト型会社でしたけどね。
僕が入社した2004年当時ですら、ユーザー登録の仕組とか満足度調査アンケートの
仕組とかなくて本気で驚いた覚えが有ります。

ともあれ、戦略・戦術にあまり奇をてらう必要は無く、後の実行フェイズがどれだけ
大事か、そして失敗した戦略・戦術は何故失敗したのかという事を振り返って
次の戦略立案に活かすか、というPDCAサイクルを本気で回す事が大事か、
という事を再認識しました。

ちょっと読む前の期待が大きかった分、暖簾に腕押し感は有るのですが、
最終的な評価としては良書だと思います。