Yanagisawaアルトサックス モデルチェンジ
来年1月に、Yanagisawaのサックスがモデルチェンジするとの事です。
まずはアルトから。
公式ホームページにはまだ紹介が無いんですが、複数の楽器屋さんで
12月3日に情報が載ったので、この日が解禁日だったのでしょう。
名称は「WO(ダブルオー)」。
WOの後1桁だけのモデルが旧90x系の後継、WOの後2桁のモデルが旧99x系の後継です。
説明も複数の楽器屋さんで同一のモノが載っているので、楽器屋さんが独自に書いたワケでは無くて、Yanagisawa自体の資料みたいです。
その中でもWindBrosのモノが切り口が判りやすかったので、これをベースにまとめてみました。
【全機種共通の変更点】
キイメカニズム
- 右手小指キイの改良(Low Eb、Low C)
- ⇒ 小指の操作性を考慮し、より良い角度に定めました。
- 右手サイドキイの改良(High E)
- ⇒ レバーキイの下に足を設けタッチ感を向上させました。
- フロントFキイの改良
- ⇒ 膨らみのある形状に変更することで操作性を向上させました。
音色と音程
- 管全体の見直しとトーンホールの配列を再考
- ⇒ 管全体の見直しとテーパー、トーンホールの配置の見直しにより、正確な音程がとりやすくなるよう改良しました。
【WOxシリーズの変更点】
- 左手サイドキイの一枚座を採用
- ⇒ 上位機種のみ採用されていた一枚座を採用し、高音域の響きの安定性を向上しました。
- 「サムの魔法使い」を装備
- ⇒ 上位機種のみ採用されていた真鍮製の指掛けと拇指台を採用し響きの安定性を確保しました。
- ネック前面にプレートを付ける
- ⇒ スタンダードタイプのネックの前面にプレート付けることにより程よい抵抗感を生み出しました。
【WOx0シリーズの変更点】
- 長座の改良
- ⇒ ポスト位置の見直しにより、パワフルな響きを実現できるよう改良しました。
【ブラス素材製製(A-W01、A-W010)の変更点】
- ブラス素材の見直しと加工方法の再考
- ⇒ 素材そのものと鍛錬方法の見直しにより、より良い響き、音色が得られるようになりました。
名称と定価は表にしてみました。
旧 | 新 | |
---|---|---|
モデル名 | 901II | W01 |
定価(税抜) | 250,000円 | 270,000円 |
モデル名 | 902 | W02 |
定価(税抜) | 265,000円 | 285,000円 |
モデル名 | 991 | W010 |
定価(税抜) | 353,000円 | 378,000円 |
モデル名 | 992 | W020 |
定価(税抜) | 435,000円 | 460,000円 |
定価で言うと901II/902のラインは2万円アップ、991/992のラインは2万5千円アップです。
アルトの991とか901(&II)とかって、15年に渡って作られた息の長いモデルでしたし、更にその前から見ると
- 990 ⇒ 990μ ⇒ 991、
- 900 ⇒ 901 ⇒ 901 Sepcial ⇒ 901II(順番有ってるかな)
と、細かくマイナーチェンジして来ているので、全面的なモデルチェンジは実に久しぶりだと思います。
新モデルはどうも余計なゴテゴテした機構が追加されるわけでも無く、ひたすら響きを良くする方向で考えているっぽいのでどんなモノになるのかとても楽しみです。
しかも上位機種のWO10/WO20の説明には、「重厚感」とか「程よい抵抗感」とか僕好みっぽいキーワードが並んでいるのには凄く惹かれます。
セルマーがどんどん管体をペラくして鳴らしやすい方向に持って行ってるのとは真逆ですね。
「ブラス素材の見直し」なんかも超気になります。
991はフランスアメリカ産、901は日本産のブラス素材と異なる産地の素材を使っていたり、同じ真鍮でもネックは亜鉛と銅の配合比率が微妙に違う3パターンがラインナップに有ったりと、元から素材には超拘ってるけど、今回どんな風に変わるのか興味が有ります。
(※2013年12月27日追記: 991の素材はアメリカ産のようです。10年位前に「フランスと日本」と聞いた記憶が有るんですが、時期によって産地が違う?単なる勘違い?ちょっと定かじゃ無いのですが、修正しておきます。)
それともう1つ。
上位機種/(中)下位機種という簡単な括りじゃなくて、「WOx0系はヘビータイプ」「WOx系はライトタイプ」と銘打っているのも興味深いですね。
元々価格の安い90xシリーズでもベルは1枚取りだったり、並々ならぬ拘りとパフォーマンスを持っていたのに、どうしても他社製品との価格戦略上ミドル/エントリーモデルとして扱わざるを得ないし、99xとも差別化しなくてはならない、と立ち位置に苦慮していた感が有ったのですが、そうした状況から脱したいという意思みたいなものを感じます。
今は色んなメーカーから、色んな価格帯のモデルが出ていますし、そもそもYanagisawaは薄利多売を目指しているメーカーでは無いでしょうから、この試みは面白いと思います。
発売されたら、全機種試奏してみようと思います。
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